2007年03月07日

東京奇譚集



村上春樹/新潮社(2005)
★★★★★☆☆

やっと借りてきました。
文献読むのは遅いけど、好きな本なら速い速い。

個人的に村上春樹は短編の方が好きです。
今回のは短編というか中編というか。
それなりのボリュームだったけど…。

この人は基本的にテーマが一貫しているようなので、
飽きる人は飽きるんだろうけど。
私は好きよ。

村上春樹は嫌い!というひとは、
同じテーマの繰り返しであったり、
生活感のない(金に苦労してなさそうな)登場人物だったり、
突拍子もない設定だったり、
が厭なのかもなぁ。
…なんて、ぼんやり思いながら読んだ。

この本全体を通じて共通するのが、
何かを欠落した人々、ってとこでしょうか。
親しい人を、或は名前を、或は体の一部を失っていること。

まあ、さいきん精読するのがどーも好きじゃないので
あまり深く考えずに感想などを。

「偶然の旅人」
あー、わかるな、こういう感じ。
偶然の一致ってけっこうある。
ほとんどがささやかですぐ忘れちゃうけどさ。
(で、もちろん人に言っても受けない)
歯車がかみあっちゃうことって、時々ある。
まあ、受け取る側の意識の仕方次第なんだと思うけど。
私はエイヤッと乗っかることにしている(笑)。
調律師が言うルールが何となく心に引っかかります。

「ハナレイ・ベイ」
この本の中でいちばん好きだな。
ああいう終わり方は好きです。
人生において、
物事がどこで始まり終わるのかなんて分からない。
救いがないのかも知れないけど、
それでも人生は続くわけで。

「どこであれそれが見つかりそうな場所で」
まあまあ。
あまりピンと来なかったけど、春樹っぽくはある。
最後の台詞は好きですが。
現実の世界。
現実の世界か。

「日々移動する腎臓のかたちをした石」
風が、腎臓のかたちをした石が、
我々を揺さぶるということ。
必要なのは覚悟なのかな。

「品川猿」
猿の出現があまりに突飛で…ちょっとしっくり来なかった。


以上。
他の短編集と比べるとな。やや渋いかなあ…。
ハナレイ・ベイがもっとも印象的でした。
posted by ヤブネコ at 01:13| 東京 ????| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする